子どもが心配 人として大事な三つの力 著:養老孟司(2022) 子育てに対して不安を覚えたら読みたい【読書レビュー】
私は子どもはいないのですが、なぜか読んでしまいました。
おそらく自分について不安なところがあるのでこの本を手に取ったんだと思います。
自分をより理解すれば他人を傷つけることも低くなるはずと考えているからです。
読んでみたらとてもおもしろく、ためになることばかりでした。
もし子育てに不安がある人が読んだら役に立つかもなあ…なんて思いました。
ですが、やはりこの本で語られていることは
「理想はそうなんだけどね…」
みたいなこともあります。
例えばキャンプの下りとか。それはそうなんだけど…と思いました。別のアプローチでもいいのではないかな~と私は考えます。
だからすごく寄り添ってくれる…というわけではありません。
私はこの本の内容に全面同意できません。
ですが1つの意見として読むのには大変参考になります。
考えさせられる内容ばかりです。
思わず私は自分の親にも読ませたい…と思う部分がありました。(P93とか)
曖昧なことを考えることが大好きな人にはオススメです。
この本は養老孟司さんが章ごとに4人の識者とそれぞれ対談している形式をとっています。
だから口語なので読みやすいです。
私が役に立つな~と思ったところだけいくつか抜粋してみたいと思います。
感情のコントロールができるようになるには?
私もそうなのですが感情のコントロールがうまくいかないことがあります。
最近はそうではないのですが、まだまだだなあと思うことはしょっちゅうです。
この本によるとまず「人の気持ちを言う練習」から始めるほうがいいようです。
これを述べているのが、『ケーキが切れない子どもたち』を執筆した宮口幸治先生です。
過去のレビュー記事はこちら▼
自分の気持ちがいえないならまず他人の感情について観察してみる、というのが大事なようです。
詳しくは「子どもが心配」P41を読んでください。
私はこのトレーニングをぜひもし自分の子どもがいたらやってみたいと思います。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』でもいっていましたが、やはり感情の察する練習というものは必要なものなんだなあと感じました。
褒める教育の落とし穴
これは私が以前から思っていたところなので特に目新しい情報ではなかったのですが、再度読み直して「やっぱりそうだよな~」と改めて思いました。
これはP33で読めます。
ただこの本の後半で褒める教育はやっぱり効果がある!という研究結果がでているようなので気になる方はP132も必読です。
あとやはり子どもの褒め方についてはこの本がオススメです。
思わぬところが遺伝する
興味深かったのが、遺伝の話です。
慶応の文学部の先生が一卵性双生児を別々のキャンプ場につれていき、二人がどんな行動をとるかを観察したものがあります。
特に困難に直面したとき、「素」が出るので比較するとおもしろいんですよね。
その先生のお話によると、遺伝子がまったく同じ一卵性双生児は、同じような行動パターンをとる場面も多いそうです。
P73より
あとこちらも遺伝が関係している可能性が高い話です。
また、子どもの行列について、興味深い観察結果があるようですね。「先生のあとにきちんとついていくか」「後ろのほうでおしゃべりしながら、列を見出して歩くか」のどちらの行動パターンをとるかについては、遺伝的素因の影響をかなり受けるそうです。
P74より
ただこれはエビデンスがこの本のなかで示されているわけではないので信憑性が薄いです。
エビデンスがあったら読みたかったな…
それはさておきそうだったら個人的に興味深いなと思いました。
私にとって耳の痛い話
「人は人との中で成長する」
とこの本では何度か言及していますが1人で考えるのが好きな私にとっては耳の痛い話です。
確かに私が成長したり悟りを開いたのは人との関わりあいのなかでなので、そうなのですが…できればもうあんな経験はしたくないですね。
30までの人生経験で終わりにしたいです。
締め
面白い本でした。
この本で紹介されている本が気になるのですが、また読みたい本が増えたなあ…
今日はこの辺にしたいと思います。ではまた。
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