書物を読むことが禁じられた世界で主人公は本を燃やす/ 華氏451度〔新訳版〕原題:Fahrenheit 451 著:レイ・ブラッドベリ 翻:伊藤典夫(2014)【読書レビュー】

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2022年1月1日に買った本です。

「読もう読もう」と思っていたのですがずるずるとここまできてしまったので一念発起して書店で購入しました。

いやー!!難しい!!!

この本に限ったことではないのだが、世界で有名なSF小説はとてもむずかしいことが多く解釈するのに非常に時間がかかる。

私は小説を読むときはこんな感じだ。

1度目:とりあえず最後まで読む

2度目:考えながら読む(←今この途中)

3度目:つまみ読みをする

まだ2度目の途中なのでが読み終えるのにめちゃくちゃ時間がかかるのでここでいったん読書レビューを書くことにした。

 

正直小説を読むのは5年以上ぶりなので書評を書くのは緊張する。

だが年に1回ぐらいは世界で有名な小説を読むようにしたいと今回の経験から思いました。

 

 

 

感想

国語の教科書にのっていそうな文章だなあと思った。

個人的な感想だが洋書はわかりづらいことが多く、意味がすべて理解できることがあまりない。

もちろん翻訳されていることも加味しなくてはいけないが。

それはどうしてかというと主人公の心境を直接表現するのではなく、背景や周囲を描写することで表している場合がとても多いからだ。

例えば、

彼は自分のからだが厚い反面と冷たい反面、ふるえる反面とふるえていない反面にひとりでに分かれ、それぞれの面がこすれあうのを感じた。

P43

とある。

これだけでは一体どういう意味かわからない。

説明するならこの直前に主人公モンターグは近所の少女クラリスから様々な質問をぶつけられている。

 

以下は私の解釈になる。

クラリスは何もとてもむずかしい質問をしたわけではない。

ただ『どうして昇火士になったの?』とか『どうして他の人は月をみないのに月をみたの』とかその程度のことだ。

質問をぶつけられたことで

「そういえば、その質問の答えはよくわからない」

とモンターグは疑問に思ったのでないか。

なぜかモンターグはすぐ答えられなかった。

おそらく動揺したためではないかなと思う。

今までなんとなく疑問だったけど無視してきたことがやっぱり他の人も思っていたことが明確になってしまったから。

そう今いるこの世界の違和感をはっきりと感じ取ってしまったのだ。

自分を含めみんな過去のことがわからない・覚えていないのだ。

しかもこのあとモンターグは妻とどうやってであったかもわからなくなっていることに気づいてしまう。(P73)

今、人間たちは考えることを放棄しているのだ。

でも今までの常識からはずれることはできなくて、2つにわかれてしまった…

というのが上の表現なのではないか。

 

こんなふうに自分で登場人物の心境の変化を推察する必要がある。

国語のテストであった、

斜線Aのことから、このときの主人公の気持ちを表現しなさい。

みたいなやつだ。

だからすごく読書力を試される一冊だと思う。

明確に主人公や登場人物たちの心境を表す文章は少ない。

 

まるで国語の教科書をよんでいるようだった。

昇火士と翻訳した人マジですごい

これは他のレビューでいわれていたことなのだが、

ファイアマン

という職業を『昇火士』と翻訳した人は本当にすごい。

ファイアマン【fireman】 とは英語で”消防士”という意味だが、この世界では

本を燃やす職業:ファイアマン

なのだ。

日本語もすごい。

私の読書メモはこんな感じになった

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ちなみにこれはまだ前半の第一章だけの読書メモです。
最後まで読んだら自分のメモなのに解読が大変なことになりそう。

原題は『Fahrenheit 451』

原題がファーレンハイトときいて私はびっくりした。

超有名なゲーム『デトロイト・ビカムヒューマン』を作った会社が昔だしたゲームの名前がファーレンハイトというのだ。

なにか関係があるような気がする。

締め

ようやくこの本が読めた。

読めたといってもまだ1回と半分ぐらいしか読んでいないので、途中の感想になった。

読み返せば読み返すほど新しい解釈が生まれてくる。

ディストピア小説が好きな方はぜひ。

 

今日はこの辺にしたいと思います。ではまた。

これを書いた人

 

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