【書籍】ケーキの切れない非行少年たち レビュー

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私は司法とか法律とかに普段あまりふれることのない生活を送っています。

司法や法律だけでなくそもそも興味のない分野というのはニュースになっていてもあまり覚えていません。

だからたまにでも書籍を通して自分があまり触れない分野では今どういったことが起きているのかを知るようにしています。

そんななかでも2019年に発売した『ケーキの切れない非行少年たち』という本を最近ようやく読みました。おそらく本屋が大好きな人なら絶対表紙はみたことがあるかと思います。 

中身も大変おもしろかったのですが、文章が非常に読みやすかったです。私もこんな文章書きたいです。

 

著者の経歴・職業について解説

まず著者の宮口さんという方は、京大工学部を卒業後いったん就職して神戸大医学部に入り直して医者になった異彩を放っている経歴の持ち主です。

すごいですよね。

次に著者の職業について解説します。

なぜかというとおそらくこの本をめくって最初に疑問に思うのが著者の職業だからです。

著者の宮口さんは『法務省・矯正局』で『法務技官』を担当されていたそうです。

…しってましたか、この職業。

私はこの本を読むまでは知らなかったです。特に『矯正局』と『法務技官』。知らなかったついでに調べてみました。

 『法務省』とは、12省庁の中の1つで”法律”を担当する省です。また刑務所や少年院なども法務省の管轄になります。

では『矯正局』とはなんなのか。

矯正局は、犯罪や非行をした人たちを収容する矯正施設(刑事施設(刑務所、少年刑務所、拘置所)、少年院、少年鑑別所、婦人補導院をまとめて『矯正施設』といいます。)における業務がよりよく運用されていくように、計画や提案をしたり、指導・監督をしています。

法務省:矯正局より引用)

組織図はこちら▼

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(上の画像は法務省きっずるーむより引用しました)

矯正局ときくとかなり仰々しくきこえてしまいますが、要するに

罪を犯してしまった人に対して、再犯しないようにいろいろしている

ということですね。

また1つ知識が増えました。

ぜひこの前提でこの本を読み進めるとわかりやすいかと思います。

それではこの本の感想についてです。

犯罪をするのは学校や家庭で”見過ごされてきた”子どもたちが多い

犯罪をするのはいかにも暴力的で、怖くて、ケンカっぱやい人が多い。

そういったイメージがありますよね。

私もそうです。

ですがこの本の著者宮口さんは「そうではない」とこの本の開始20Pで訴えています。

ではどういう人が多いのか。

少年院に赴任したての頃は、凶暴な連中ばかりでいきなり殴られるのではないか、といつも身構えていました。しかし、実際は人懐っこくて、どうしてこんな子が?と思える子もいました。

P23より引用

さらに続きます。

しかし1番ショックだったのが、

・簡単な足し算や引き算ができない

・漢字が読めない

・簡単な図形を写せない

・短い文章すら復唱できない

といった少年が大勢いたことでした。見る力、聞く力、見えないものを想像する力がとても弱く、そのせいで勉強が苦手というだけでなく、話を効き間違えたり、周りの状況が読めなくて対人関係で失敗したり、イジメにあったりしていたのです。

P24より引用

これをふまえてこの本のタイトル『ケーキの切れない非行少年たち』 につながってくるのです。

見る力などの能力が弱い少年たちはケーキを3人分にもきれない、というところがこのあと解説されています。

私には初めて聞くことばかりでなるほどーと思わずページをめくってしまう内容ばかりでした。読みやすい文章もかなりありがたかったです。

話は脱線しますがタイトルのセンスすごいですよね、この本。本屋でみかけたら一瞬手に取らせたくなる吸引力があります。”ケーキ”は明るいイメージ(みんな笑顔、明るいなど)のあとに、”非行少年”というネガティブさをイメージする言葉をもってくるのがすごい。

ほめる教育への疑問

あとこの本で個人的に『おお!』と膝をたたいてしまったところがあるので紹介します。

それはほめる教育への疑問を投げかけているところです。現場の経験談なのですごい説得力があります。

※すべて引用しようかと思ったのですが、長いので抜粋です。

”褒める””話を聞いてあげる”は、その場を繕うにはいいのですが、長い目でみた場合、根本的解決策ではないので逆に子どもの問題を先送りしにしているだけになってしまいます。

P123より引用

どうして私が『おお!』と思ったかというと、もともと私も”褒める教育”について疑問をもっていたからです。

ただそれがうまく言葉にできずに悶々としていた気持ちがありました。なんというか『褒めること自体は悪くない』ということはわかっているのですが、『ただ褒める教育』はダメだろう、というかなり漠然とした考えだったのです。

ただ何がダメなのか、とにかくモヤモヤしていました。

うまく言葉にできなかったですし、普段あまりこういった話題をリアルで誰かと会話にすることがなかったため放置していたのです。

今回この本をよんで自分の知らないジャンルもしれましたし、

『こういうことを自分は考えていたんだ!』

と改めて知ることができました。

こういうのが読書の醍醐味だと思います。

こういったモヤモヤを言葉にできる人って尊敬します。文章にするのが難しいんですよね…ブログ記事にすらもならない。

マンガも最近でたのでそちらもオススメ

最近マンガもでていましたね。

試し読みを読む限り、かなり読みやすいです。

夫は「こっちのほうがいい」といっていました。

時間がない方はこっちから入るのもありかと思いますよ。

アマゾンのレビューもあわせて読んでみよう

売れている本はそれだけレビューがたくさんつきます。

アマゾンのレビューは楽しく読ませてもらうのですが、今回の本のレビューもなかなか興味深いものが多いです。

特に

宮口さんは、日々子ども達のために尊いお仕事をされているので尊敬しますが
ケーキを三等分にできないからといって、知的に劣るということではないと思います。
私は三等分、五等分できますが色々頭の中で考えました。子どもにとっては意外に難しいのではないのでしょうか!?

それは私も読んでいて感じました。

私がもし中高生だったらケーキを3等分できたかな…と思います。自信はありません。

アマゾンのリンクは下においておきます。

ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書) | 宮口 幸治  Amazon

追記

先日生まれてはじめて出前ピザを頼みました。

今まで出前ピザなんてないところに住んでいたので、興奮しました。

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めっちゃうまかったです。

都会の人は生まれたときからこういうのを食べているんですね。

うらやましい。

今日はこの辺にしたいと思います。 ではまた。