我々の父親(2022)/「私は父さんの子どもじゃない…」不妊治療の不正を暴くドキュメンタリーがゾッとした【映画レビュー】
もし自分が父親の子ではなかったらどうしますか?
母親が不倫をしたわけではありません。
不妊治療した際に父親の精子ではなく、不妊治療をする医者の精子が勝手に使われていたとしたら…
まさかそんなのありえない!
だって医者なのだから。
そんなことをしてもいったいなんの意味が?
と多くの人がそう思うのでは。
ですがこれは最近発覚したアメリカで実際に起きた事件です。
現在は発覚しているだけでも94人の兄弟がおり、今でも兄弟が増え続けているそうです。
▶下の記事を読む前に先に映画をみたほうがいいです。
なぜ医者はこんなことをしたのか、自分は一体どうしたらいいのか。
父親には似ていない容姿、両親にはない遺伝病。
裁判を起こそうとするも医者を裁く法律がない。
その間にもどんどん兄弟は発覚する。
この映画はNetflix限定です。
以下ネタバレありの感想です。
法律の壁
今回の騒動のきっかけとなかったのは最近アメリカでポピュラーになりつつある遺伝子検査です。
▶こちらのドキュメンタリー映画でも遺伝子検査についてとりあげられていました。
そこから芋づる式にドナルド・クライン医師が経営する不妊治療クリニックで治療を受けたという共通点が明らかになっていきました。
無許可で医者が自分の精子を使っていた。
当事者の気持ちになるとなんてことを!と思うのですが、彼を裁く法律が当時のアメリカ・インディアナ州にはなく、彼は裁けないという納得のいかない結果。
現在ではインディアナ州には法律は制定されたそうですが、アメリカ全体にはそういった法律はないようです。
どんどん明らかになる1人の男性から生命が生まれることの問題点
私はこの映画をみるまでこんなことをする人の想像がつかなかったので、問題点についてあんまり考えたことがありませんでした。
この映画でとりあげていたのは、
- 遺伝病の発現
- 近親者同士の結婚がありうる(田舎のクリニックだったため)
- 子どもと両親のメンタル
です。
詳しくは映画をみていただきたいのですが、本当の父親だったら発現しなかっただろう遺伝病に苦しんでいるのが本当にしんどいです…
あと父親はもちろん母親の気持ちも…
ただ子どもが欲しかっただけなのに
ドキュメンタリーの途中ででてくるおじいさんおばあさんの反応が対称的なのが複雑な気持ちになりました。
「でも私は双子の子どもに会えたから…」というおばあさんに対して
「……」というおじいさんの反応が鈍かったのが印象的でした。
そりゃあ…そうでしょう…
おじいさんの心境が気になります。
しかもこの2人は元々ドナルド・クライン医師と知り合いだったようです。
よく…そんなことができますね…って言う感じです。
一般人にはどうしようもできない絶望
日本でも遅かれ早かれこういった問題は浮上してくるでしょう。
しかし一般人にはどうしようもできません。
医者を信頼して不妊治療をするしかないのです。
一般人というか医者しかこの精子の持ち主はわからないのですから。
ゾッとしますね。
他の国でも似たような案件が発生している
締め
この映画で1番怖いのは最後の言葉です。
もしかしたら日本でも同じことをしている人がいるかも…しれないですね。
なんだこれ超怖い。
今日はこの辺にしたいと思います。ではまた。
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