たまにはみよう名作映画シリーズ!ということでみてみました。
あらすじとしては
トゥルーマンはシーヘブンという離島で暮らす保険の営業マン。
何不自由なく暮らしていたが、ある日町中に死んだはずの父親をみかける。
慌てておいかけるものの、父親は何者かに連れ去られてしまう。
母親のそのことを話すと「見間違いだ」といってとりあってもらえない。
トゥルーマンは違和感を感じ始める。
という感じです。
エロもなくグロもないのですが、ダークコメディ映画という感じです。
暗すぎないので気軽にみれるのがありがたい。
一度見始めると展開が気になって最後までみてしまいました。
割と仕掛けを隠すつもりもなくあっさりとこの世界の仕組みを明かすのが斬新でした。
おそらくいいたいのはそこではないんでしょうね。
ちなみにNetflixなら見放題(2023/03/31まで。また入ると思いますが)で、アマプラだと400円の課金が必要です。
後述しますが、今回吹替と字幕版で結構翻訳が違いました。わかりやすいほうを引用させていただいています。
リアリティショーも所詮は虚構がはいるよっていう皮肉
私は興味がないのであんまりみないのですが、リアリティショーは人気のあるジャンルですよね。
私も前に『アーミッシュインNY』が面白いと感想をかきましたが、
さすがに
「脚本が面白いなあ!」
と思いながらみていました。
普通の田舎からでてきた人がNYであそこまでやれるとは思えません。
ですが私も視聴しながら演者たちのリアルな演技に
「それはないんじゃない?」
「あーそういったら相手は傷つくよ」
と感想がでてきたのも事実です。
リアリティショーだとわかっているのに、実在の人物の反応だと勘違いしてしまうのです。
※そりゃある程度は演者の意見を反映しているはずなので、そこにリアルがでるのだと思います。
日本でも恋愛リアリティ番組が人気ですが、そこから炎上騒ぎになり残念な結果になってしまったことがありましたよね。
トゥルーマン・ショーではリアリティショーはあくまでショーであり、演者たちの真のリアルではないといいたかったのではないでしょうか。
トゥルーマンだってもしあの島ではなかったらどんな生活をしてどんな人生を送っていたかなんて誰にもわかりませんよね。
作られた舞台の上のトゥルーマンの人生は”現実(リアル)”なんでしょうか。
ただ私たちの世界のリアリティショーより、トゥルーマンは島の外に興味を持ち始めるも、トラウマをうえつけられて留めさせられているのがなんとも残酷だなあと思いました。
「やりすぎなことが面白いんだもっとやれ!」
「そうとわかっていても面白いんでしょ?視聴者は。」
という制作の声も聞こえてきます。
そういうメタ的な声を含めて一つの作品にしているのが非常に面白かったです。
今はもうコンプライアンスが厳しくなったので虫の息でしょうが…
不幸がない世界は幸せなのか?
「でも彼は自由のない囚人だわ」
と劇中で真のヒロインがいっていますが、トゥルーマンは生まれたときからカメラをこっそりまわされ全世界に人生を晒してきました。
家族も演者で周りの人も演者。
この世界は理想郷だとプロデューサーがいっていますが、この島では誰も怒ったり悲しんだりしていないんですよね。
みんなニコニコしてる。
それが何よりも怖かったです。
不幸はないけれども、もっと大きな不幸を抱えているような気がします。
最もトゥルーマン本人が自覚しなければ不幸ではないのですが…
与えられた人生をまっとうすることは簡単だから
私がこの映画をみていて1番心を動かされたのは以下の部分なんですが、
吹替と字幕で全然翻訳が違うのです!!!
「クリストフさん、質問です。なぜトゥルーマンは今まで自分の人生について疑問をもつことがなかったと思いますか?」
という質問に対して
吹替だと
与えられた人生をそのまま受け入れることは、容易だからです。
しかし字幕だと
徹底した”リアリティー”それを保ったからだ。
とのこと。
ではクリストフは英語でなんとしゃべっているかといと…
We accept the reality of the world with which we are presented.
It's as simple as that.
(私たちは、与えられた世界の現実を受け入れるからです。
それはとても簡単なことなんです。)
いや…全然違うじゃん。吹替のほうが元の文章に近いですね。
たまたま今回は吹替のほうをみていたので気づきましたが、字幕版だったら全然印象に残っていませんでしたね。
話を戻します。
私もかつては自分の人生を受け入れようとしていた人間なのでよくわかります。
私は親と非常に仲が悪く実家と絶縁しているのですが、もしあのまま実家にいたら人生は楽だったろうなと思います。
そういうと私の実家が金持ちのように感じるかと思いますが、そうではなく
ど田舎・貧困・低学歴・低収入・家庭内暴力
のフルコンボのようなところでした。
奨学金だったけどなんとか大学にはいけたのはラッキーでした。
それすらも妨害されましたけど。死ぬかと思った。
そんな人生を送るぐらいなら死んでやるぐらいの気持ちで20代を過ごしてきたのですが、今はなんとか穏やかな日々を過ごさせてもらっています。
まあ今でも崖っぷちにいることには変わりない(奨学金が残った)ので、もっと這い上がってやるっていう気持ちでいます。
実家にいるとき常々思っていたことが、与えられた人生を受け入れるってなんて楽なんだろうってことです。
周りの反対にあうこともないし、努力をしなくていいからです。
私も数え切れないぐらい自分の人生を諦めようとしました。
田舎にすみ続けて、女だから大学もいかず、親の介護要因で実家の近くに住んで、つまらない生活を続ける…
本当にこっちのほうが思考しなくていいから楽なんです。
その思考が浮かんでくるたびに泣いたし、死のうと思いました。
なんで小さいころから傷つけてきたり支えてくれなかった親の面倒みなきゃいけないんだって。生きてる意味ないじゃんって。
実際やってみてわかったのは世界を変えるということ、例えば親の力も借りず、遠くのところに住んでみたりするってめちゃくちゃ大変です(大変でした)。
でも暴言から解放されただけでも生きててよかったなって思えます。
だからこそトゥルーマンの最後の行動は応援してしまったし、そのあと舞台から姿を消すトゥルーマンに感動してしまいました。
特に最後海の上で意図的に嵐に巻き込まれるシーンは自分と重ねてしまいました。
家をでるとき色々言われたなあ…って。
ひとり暮らし大変だったなあって。
変わろうとするときって1番困難が降りかかるものです。
外の世界はしんどいことが多いのは事実です。
嫌なこともあるし、泣くこともたくさんあるし。
でも同じぐらい楽しいこともたくさんありました。
その途中で今の夫にであえたので、行動してよかったなと今は思います。
君は怖いから外へ出ていけないんだ
わかる~本当によくわかる~怖かったわ…
理解されないんですよね、こういうの。
他人に理解されなくてもそれも自分にとっては大きな意味があるんです。
もうどうしようもなくなったら自分の命は自分でケリをつけることもできるのですから。
正直これが1番のこの映画の明言だと思うのですが、どこもとりあげてないので書いてみました。
これが1番いいたいことなんだ、と勝手に考えています。
この映画での注意点
と散々自分の人生について語りましたが、継ぐべき事業だったり家系だったりする人はこの映画はみないほうがいいでしょう。
この映画をみて
「自分の一度きりの人生だから歩んでみたい!」
と感化されるお金持ちの人もいるのでしょうが、そういうお金持ちの人は憧れないほうがいいです。
私は特殊な環境だったから仕方なくこうしただけです。
普通の人だったらとっくの昔に諦めているよ、と夫からお墨付きの殺伐とした人生です。
親が悪い人だったらいいのですが、せっかくお金持ちならそれを最大限活かすべきです。
私も親がいい人だったら…こんな性格にならなかったのになあ…と思います。
という言葉がおそらくお金持ちの人にはかかるので、お金持ちの人はお金持ちの人で大変ですよね。
悩みが共感されないから。
いやまあ私からしたら羨ましいですけどね。
この映画、真に受けると青い鳥症候群っていうやつになりそうですね。
なぜか挿入される日本の家族
おそらく日本人ではないのでしょうが、映画の途中途中で日本人の家族がでてきます。
「バーバンクメリル、毎日みてください」
「バーバンクトルーマン、毎日、、、二十四時間」
と壁のポスターに拙い日本語が書かれています。
面白いですね。
世界各国で人気の番組らしいのでその雰囲気を出したかったのかな?
締め
色々語って長くなってしまいました。
何度もこのブログではいっていますが、いい映画という評判のある映画はやはり一定以上のクオイリティがありますね。
みてよかったです。
時間がたったらもう一回みたい映画です。
今日はこの辺にしたいと思います。ではまた。
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