ザ・ギフト(2015)怒涛のラスト10分が濃密すぎて混乱した!【映画レビュー】
Amazonプライムに入っている映画には『この映画まったくしらなかったけど面白いじゃん!』というものが多いなと特に最近感じている。
特に私はグロとホラーが超苦手なのに面白いものがみたいという結構矛盾した好奇心をもっているので映画の選択にはかなり気を使っています。極力ホラーっぽい映画をみるときはできるかぎり「生きた人間が怖い系」をチョイスするようにしています。
今回みたのはアメリカで2015年に公開されたスリラー映画『ザ・ギフト』です。
まさに「生きた人間が怖い系」なのですが、なんともいえない感じの嫌な雰囲気が全体を覆っている映画です。衝撃のラストがある映画といわれてみたのですが、そこまで衝撃ではありませんでした。ただ、衝撃ではなく「ああ、やっぱり…」というゆっくり答え合わせをする終わり方だったのでドンドンと駆け足で終わるような展開が好みの方は受けないかも。
夫と一緒にみたのですが、心に残った部分が私と違っていて人によって受け取るメッセージが変わる映画だなと思いました。
どういう人にオススメ?
- 心霊ホラーが苦手な人
- とにかく人間関係のモヤモヤした映画がみたい人
晴れた日にみたらかなりモヤモヤした気持ちになると思うので夜にみることをオススメします。ただ全くのバッドではない(と思う)ので、ただモヤモヤするという感覚です。
※心霊ホラーが苦手な人と書きましたが劇中で数回音で驚かせる演出がありますので、そこは注意してください。私と夫は声をあげて驚いてしまいました(笑)
あらすじ
転職のためにシカゴからカリフォルニアに引っ越してきた夫のサイモンと妻のロビンという夫婦が、ある日サイモンの同級生・ゴードンに出会う。ゴードンはサイモンに対してとても親しげにふるまうも、サイモンは学生時代そこまでの仲ではなかったことをロビンにうちあける。
とまどうロビンのもとにゴードンから毎日毎日”ギフト”が届くようになる。サイモンはゴードンがロビンに恋をしているのではないか、と疑うようになるが…
という展開。
以下はネタバレの感想になります。
ネタバレ感想
〇〇〇はされたほうはずっと覚えている
今回の映画で1番の肝はサイモンとゴードンの関係だ。
昔のサイモンはゴードンをいじめていた。でもいじめたことをサイモンはすっかり忘れていた。しかもいじめなんてもんじゃないレベルで、ゴードンはそのあとの人生がめちゃくちゃになっただろう。
どんなことでもやられた側はずっと覚えている。やった側はどれだけ相手が傷ついたかもわからずに行動しているためにさっぱり忘れていることが多い。今回のサイモンのように。
この映画のレビューに『3人の登場人物に共感できない』とありましたが、私も共感できないなあと思いました。モヤモヤする映画です。
他にモヤモヤするスリラー映画といえば『ドント・ブリーズ』ですが、『ドント・ブリーズ』にはないモヤモヤだなあと感じます。
人間関係特有のモヤモヤが『ザ・ギフト』で、話についていけない感のモヤモヤが『ドント・ブリーズ』ですね。
ストーリーやテーマについていいところ悪いところ
この記事の最初でも触れましたが、夫と一緒にみたあと感想をいいあっていたところ印象に残った部分がまったく違いました。この映画をみて感じることは人によってかなり違うかと思います。
夫は
君が過去を忘れても、過去は君を忘れない
私は特に
定着してしまった偏見は人を破滅に追い込む
というセリフが監督が特に伝えたかったところではないかと思いました。このようにまったく違うので誰かと一緒にみて意見交換すると楽しいかも。
脚本・演出のいいところ悪いところ
ギフト、を贈り続けるのはラストのアレにつなげたかったのだろう
映画の冒頭からギフトを贈り続けるゴードンですが、おそらく演出的に最後の妊娠につなげるためだったんだろうなと思います。 ギフト1つ1つに意味があるかと思ってたのですが特に意味がなかったのがちょっとだけ「あ、そうなの」となりました。
でもラストがアレなのでいい演出だったと思います。
こわい映画は音楽の使い方がうまい
『The gift』はスリラー映画ですが、音楽の使い方がうまくてときどきとびあがるぐらい驚いてしまいました。
ラストシーンのアレコレ
ラストのサイモンとゴードンの会話はゾクゾクする
ラストの懇願するサイモンと嘲笑するゴードンのシーンは色んな感情が伝わってきてゾクゾクしました。
自分がどれだけお願いしてもやってくれなかった相手が、今度は不利な状況にたたされると懇願してくるのってすごく滑稽で苦しいですよね。ゴードンの性格的にも本当は復讐なんてやりたくなかったでしょうしね。
でもそれを呼び起こしてしまった映画のなかで描かれたサイモンの性格、やはり自業自得なんでしょうね。
この3カットが対照的で印象に残った
とにかくラスト10分は濃密ではあるが、特にいいたいのはこのカット。
まさに三者三様だ。
このとき、
ロビンは赤色
サイモンが青色
ゴードンが黄色
それぞれ違う色の服をきているのが印象に残りました。一応調べたのですが、よくわかりませんでした。
あと3枚めのゴードンの表情がなんともいえませんよね。
『せっかく復讐を果たしてスッキリしたけど、やっぱりやるもんじゃないな』
という表情と後ろ姿だなと思いました。やっぱりゴードンは根は優しい性格のようでホッとするシーンです。
キャラクター&キャストのいいところ悪いところ
サイモンがモラハラすぎる
映画をみててサイモンがモラハラすぎて普通だったら離婚案件だなあと思いました。映画だけでなく現実でも
『自分に都合が悪いから真実をいえない』
ということは多々あると思うのですが、真実を隠す理由が実はサイモンが理不尽な行動をしていたためだった…というのがなんとも後味の悪い理由。
それ以外にもロビンの心にまったく寄り添っていなかったので、最後離婚されたり仕事がなくなったりするのは『因果応報』という言葉が何よりも似合いますね。
監督自ら脚本と演出と俳優をやっているのが驚き
見終わったときにウィキペディアで知ったのですが、ゴードン役の方が監督兼脚本兼演出兼俳優をやってるのが驚きでした。この作品が監督デビュー作なのも驚き。
まとめ
Amazonプライムに入っている映画は、ビビリの私だったらレンタル屋にいっても確実に借りない&面白い映画が多い気がしている。もちろん面白くないのもあるけど。
でもAmazonプライムなどのサブスクにはそういう機会を与えられている気がしてる。こういう優位性がある限り、サブスクは滅びないんだろうなと最近特に思う。
追記
夏になりましたね。カレーが食べたくなったので、夫がダッシュカレーを作りました。
※レシピはこちらのリンクから→俺たちのDASHカレー|ザ!鉄腕!DASH!!|日本テレビ
野菜がごろっとして美味しかったです。
今日はこの辺にしたいと思います。 ではまた。