「どちらが正しいのかわからないときもあるのが大人になること」だと教えてくれる/サマー・オブ・84(2018)【考察レビュー】

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Amazonプライムから外れるときいて慌ててみました。

私はかなり面白かったです。

自分なりに予測しながらみたのですが、結末は見事に裏切ってくれました。

あらすじは

15歳の少年デイビーとその友達ウッディ、イーツ、ファラディが近所の男性が殺人鬼ではないかと疑い調査を始める。

真実はいかに。

って感じです。ワクワクしますよね。

一言でいうなら、

青春ほの暗い&キツイ酸っぱいさのスタンド・バイ・ミー

という感じでしょうか。

見始めたらすぐに『スタンド・バイ・ミーじゃん!』と多くの人が思うでしょう。

  • 舞台は1984の6月
  • 15歳の少年デイビーと3人の仲間たち
  • 死体を探す

など懐かしい要素ばかり。

でもちょっとなにか違うのは冒頭のデイビーが自転車を漕ぐシーンで感じるはず。

もちろんこれはホラー・スリラー映画。

その違和感が結末につながっています。

ぜひこれもネタバレなしでみてほしい映画です。

もうアマプラから外れてしまうので、次に入ったときに見てみてください。

 

それでは以下感想です。

ネタバレありなので要注意!

 

 

 

はやく大人になりたい少年が払った代償

冒頭から映画の途中まで、『背伸びしたい少年』が色んな角度で描かれます。

犯人を捕まえて英雄になりたいという大言壮語、お酒の回し飲み、付き合っている女の子の話、下ネタ…

高校の放課後や帰り道、バカ騒ぎしたあの日を思い出します。

普通の人ならそのまま成長して、友人と疎遠になったり、自然とやらなくなっていきます。

普通だったら。

 

主人公のデイビーが飽くなき好奇心を持ち続けた結果、あんなことになってしまうわけです。

デイビーは願い通り、”大人”になれました。

近いうちに本人の希望通り、あの街からでていくことになるんだろうな…

悪いことをしているのはもちろん犯人ですが、その悪事を暴いた結果あんなことになってしまったら罪悪感はやはりまったくないとはいいきれないでしょう。

ただ結局デイビーが犯人を暴かなかったら、デイビー(ひょっとしたら両親も)は死んでいたはずですからね…

どっちに転んでもデイビーは苦労することになる。

どちらが正しいのかわからないときもある、それが大人になることなのかもしれない。

どっちが悪いともいいきれないのが、この後味の悪さなんでしょうね。

でも大人になったらよくあることです。

ただデイビーが体験したことは極端な出来事ではあります。

印象的なのは英雄だと警察は褒めてくれますが、

「思っていたより面白くない」

というデイビーの表情ですね。

 

僕は学んだ

人は決して本性をみせない

認めたくないよね

それが事実さ

なぜ最初にデイビーをさらわなかったのか

2回目をみたのですが、どうしてデイビーを最初にさらわなかったのでしょうか。

違和感を感じました。

おそらくさらわなかった理由は

  • アルバイトの途中だったから
  • 今回の獲物は別の人物だったから
  • 余裕だったから

でしょうか。

 

1番最初にマッキーに家に招き入れられたときデイビーは「なんとなく怪しい」を感じ取ったはずです。

すぐに友達にいっていますからね。

それぐらいマッキーはデイビーに『なにか証拠になるものをみせてもいいや』と思っていたのでしょう。

すきをあえてみせていたのかも。

普通の感覚なら絶対感じさせないように気をつけると思いますが、シリアルキラーのマッキーは違います。

『余裕』だったのでしょう。ある意味度胸があるともいえますが。

だからこそ視聴者の私たちも『殺人犯がそんなことをするか?』と思ってしまうのです。

でもどこか違和感がある…

 

最初の違和感が最後にとれるのはイタリア映画『サスペリアPart2』を思い出しました。

「あれやっぱりか!!!!」

みたいな。

音楽も全体的に『サスペリア・サスペリアPart2』って感じでしたね。

なにか意味があるのかな?

 

ちなみにシリアルキラーという言葉が生まれたのは”1984年の9月”だそうです。

テッド・バンディというアメリカの殺人事件の犯人を表すためにつくられた言葉です。

この映画は1984年の6月ごろの出来事。

監督たちがまったく意図していないわけではないと思います。

テッド・バンディも映画化されていますので興味があったらどうぞ。

tachikawa.hatenadiary.jp

そのほか思ったこと

犯人のマッキーがデイビーに文句を言うシーン

私が選ぶ『お前がいうなベスト2021』にランキング上位に入るんじゃないでしょうか。

あのシーンでまだ子どものデイビーに文句をいうからこそ、マッキーの異常さが際立つのですけどね。

思わずみていて「おいおい」とつっこんでしまいました。

映画のあとのデイビーはどう暮らしていくか

先ほど街をでていくことになるといいましたが、それもちょっと疑問なんですよね。

デイビーは映画の最後、新聞のアルバイトを再開していましたし。

「結局街からでていかないのかな?」

とすら思いました。

普通なら一刻もはやくあの街からでていきたいと思うのでは?

2ヶ月もたったあともアルバイトを再開するということは、まだこの街に居続けるのかな?

なんとなく不思議です。

締め

駆け込みでこの映画をみたのですが、私は面白かったです。

マッキー役の俳優リッチ・ソマーさん(プラダを着た悪魔にも出演)、名演でした。

みればみるほど考察がはかどります…

みれてよかった。

 

今日はこの辺にしたいと思います。ではまた。

これを書いた人

 

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