メンタルが弱いと感じている人にオススメ/Untold: 極限のテニスコート(2021)【映画レビュー】

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またいいドキュメンタリー映画をみつけてしまった。2021年1番かも。

テニス選手のメンタルの問題について声を最初にあげた人物、マーディ・フィッシュという方を焦点にあてた映画『Untold: 極限のテニスコート』という映画だ。

かつてメディアではあまりアスリート自身のメンタルについて大きくとりあげられることはなかった。

なぜならそれは『自ら弱点をさらしているようなもの』だからだ。

 

もちろん今は違う。

というよりだんだんアスリート自身が自らのメンタルについて語るようになってきている空気が生まれ始めている、という感じだ。

これが少なくとも1990年代だったら言語道断だっただろう。

かつてのスポーツ界、それこそ学校の部活ですらも

「弱音を吐くな」

「愚痴をいわずにただ黙々とトレーニングをこなせ」

とよくいわれていたものだ。

私が学生時代とき運動部ではなかったので記憶は曖昧なのだが、うさぎ跳びをさせられている運動部がいたような気がする。

すでにそのときはうさぎ跳びは体によくないという”ウワサ”があった時代だったが、それでもやらされていたようだ。超田舎だったしネットすらもなかったのでしょうがないのだが。

 

テニス選手の話に戻すと自分のメンタルについての自ら語りだしたのは、今回の映画の主人公:マーディ・フィッシュというアメリカで有名なテニス選手が発言したのが大きなきっかけだった。

 

彼の半生とメンタルの不調についてこの映画では大きくとりあげている。

テニスに興味がある人だけでなく、メンタルについて興味のある人はオススメできる映画だ。

 

 

 

かつてもてはやされた根性論のはてに。

上のほうでもいったが、かつてスポーツ界では根性こそが強くなる方法だと説いていた。

もちろん当時15歳で親元を離れ名門テニススクールに入ったマーディ・フィッシュもその教育を受けてきた。

自分のことに集中しろ

他人に弱みを見せるな

愚痴や泣き言を言わず逃げないこと

もちろん精神を鍛えるにはまず肉体からという言葉もあるように、ある程度精神を鍛えるには体を鍛える必要がある。

 

でもいったいどこまで鍛えたらいいのだろうか。

鍛え続けたら栄光を必ず勝ち取れるものだなのだろうか。

 

おそらく現代だったら、

「1人で抱え込まないで誰かに話すこと」

「強いすぎるといつか折れてしまう」

と言われるだろう。

大坂なおみ選手のかつてのトレーニングパートナーであるサーシャ・バインが2019年に出した本によると、

自分の力で左右できることには、かぎりがあると思っておくこと
他人とは違う道、決断をすることで、メンタルは鍛えられる
 
ごめんなさい、が口癖になると
悪いのは自分だ、自分がいけないんだという思考様式に染まりがちになる

などなどを語っている。

私はこの本が大好きで一時はメンタルがやられるたびに本のメモを壁にはってみていた。

メンタルが弱い人にはオススメの一冊なのでぜひ読んでみては?

 

話を戻す。

だが当時はそんなものはなかった。

それは本当につい最近の話だ。

 

マーディは何度も挫折を経験し、そのたびに強くなるトレーニングを自分に課してのりこえてきた。

たしかに必要なトレーニングもあっただろう。

しかしついに体と心がついてこなくなってきた。

 

コート上でたった1人、世界に誰もいなくなるような感覚。

私には想像を絶する。

ついに不安障害を発症しテニス選手を引退。

 

その後にようやくみつけてメンタルの向き合い方。

皮肉にも必要だったのは弱さや恐れを見せ人々に心を開くこと

本当に皮肉だった。

彼がメンタルを強くするために学んでいたことと真逆だったからだ。

 

人に弱さをみせることはとても怖いことだ。

バカにされるかもしれないし、相手を困らせるかもしれない。

そんなことはない。

 

サーシャ・バインは著書のなかでこう語っている。

迷ったら絶対に自分ファーストでいい
ときに利己的に振舞わなければ将来は開けない
他人を傷つけずにいられないときは嫌われる覚悟を。
決断したら戻れないのだから、それをまっとうするのみ。

とのこと。

この映画はメンタルが弱いと思っている人にこそ視聴してほしいと思った。

自分の弱さを認めることは一流のテニスプレイヤーですらも難しいことなのだと知ってほしい。

あの4人がやばいということがよくわかる

この映画を通してわかるのは

  • ロジャー・フェデラー
  • ラファエル・ナダル
  • ノバク・ジョコビッチ
  • アンディ・マリー

通称BIG4と呼ばれるこの4人のメンタルが超なんてもんじゃなく強靭だということだ。

もって生まれたもの、というより勝利に対して攻撃的になれるかどうかで決まる。

 

ちなみにロジャー・フェデラーについてはyoutubeに面白い動画があるのでオススメ。


www.youtube.com

 

ジョコビッチについては私が大きく知ることになったのは下の本がきっかけだった。

体調不良で悩む方はオススメ。

だいぶ前に書いた記事だからちょっと恥ずかしい。

tachikawa.hatenadiary.jp

締め

ちなみに私はテニスをやったことがない。しいてあげるならマリオテニス64とラウンドワンでちょっとやった程度だ。

テニス部だった夫であって一緒にウィンブルドンの中継をみたおかげで今回の映画に興味を持つことができた。

あとこの映画をみながら解説をしてくれたのがとても助かった。

 

今日はこの辺にしたいと思います。ではまた。

これを書いた人

 

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